グリモワールの作り方 -本-

※この記事はブログ引っ越しに伴い2019年8月に再掲した物です。

動画の人気がバブル状態の時に更新できればよかったのですが、無理でした・・・

制作のしおりさんの宣伝効果のおかげで「東方の仕立て屋」動画が大人気で東方:デイリーランキング34位を頂きかなり嬉しかったです。「野生のピアッジォ親方」タグが個人的にかなりツボでした、そう来たか。さらには派生の動画が・・・やだ、なにこれ可愛い!

 

 

それでは後回しにしていたアリスのグリモワール制作記の再開です。
ブックバンドは流石に手間がかかりますが、古洋書風のブックカバーは割と少ない手順で制作可能です。興味がある方は是非とも挑戦してみて下さい。楽しいですよ。

グリモワール制作の材料と工具

【材料】

  • ブックカバー内側(布地)
  • ブックカバー外側(合皮:ポリウレタン)
    ※表面が粗く柔らかいポリウレタン100%素材が相性よさそうです。
  • ボール紙(厚紙)
  • 直径5mm位の紐(背表紙装飾用)
  • スタンピングリーフ(販売元メーカページはこちら

【工具】

  • カッター、ハサミ
  • ボンド(木工、多用途)
  • ミシン(布ブックカバー用、手縫いでも出来なくは無い。面倒ですが)
  • アイロン
  • レーザープリンター
    コンビニのコピー機でも可能ですが「トナー印刷必須」。インクジェットプリンター不可。 自分のは一番安く手に入るブラザーのモノクロレーザープリンターです。
  • FUJIFILM/画彩マット仕上げ(ファイングレード)用紙
    ※通称:ぶどう。 必ずしも必要では無いですが、これが一番転写と相性が良いです。

グリモワール制作手順

ちなみに古洋書風ブックカバーの制作に関しては、既に先人が色々と試行錯誤しており自分のはそれを下敷きに作っています。

1:内側ブックカバー

01:布の要切り出し
01:布の要切り出し

グリモワールのブックカバーは簡単に言うと『内側:布、外側:合皮』の2重構造です。まず、内側のブックカバーを布地で制作します。これに関しては特に捻る事はありません。表紙、背表紙、裏表紙の長さを計測し2cm程のり代を取った上で布をカバー状に縫い上げます。

02:サイズの確認

実際にカバーを嵌めて具合を確かめます。のり代は多めに取って下さい(服飾とは少々違います)。以後の作業は本にカバーをした状態で進めます。

03:カバーの折り返し

次に、厚紙を表紙サイズに切り出しボンドを塗ってのり代部分を織り込みながら貼り付けます。(背表紙に厚紙は不要です)

04:背表紙の装飾

背表紙には洋書特有のデコボコを演出します。(本来はページの止め具なんですが)5mm位の紐ならば何でも大丈夫なので、等間隔にボンドで貼り付けて下さい。これで、内側ブックカバーは終了です。

2:外側ブックカバー

05:合皮をカット

今回使用した物はポリウレタン100%の合皮になります。あまりツルツルしていないモノの方が見た目のリアリティが増して良いですね。これもまた布カバーと同サイズで2cm程のり代を取った上でカットします。

※以後使用するスタンピングリーフは、販売元:吉田金糸店さんのサイトにてスタンピングリーフの詳しい使い方が掲載されているので一読する事を推奨します。

06:デザインカット用意

工作用紙を合皮と同じサイズで切り装飾を施すエリアに穴を開けます。何故これが必要かと言うと、両面+背表紙の装飾位置がズレるとみっともない事になるからです。逆に言うと、ワンポイントの装飾ならば別にコレは必要ではありません。

07:装飾の準備
ポジションに注意しながらデザインソフトで装飾模様を制作します。模様は自作でも構いませんが自分は面倒なのでヴィクトリア調模様のフリーデータを購入しました。
ヴィクトリアン素材集 アンティーク装飾パーツ&フレーム(DVD-ROM1枚付)
08:白黒反転

金に装飾したい部分の黒線にしてデザインした上でその後、白黒を反転し下記いずれかの方法で印刷します。

・レーザープリンターで印刷
・インクジェットで印刷して、それをコンビニコピー機でコピー(トナー印刷)

これで準備はOKです。

09:黒抜き転写

白黒反転した図案にスタンピングリーフを押し当てます。体重をかけて隅々まで圧着させて下さい。
【注意】
スタンピングリーフの吸着力は結構すごく、濡らしたり、こすったりした程度でははがれません。有機溶剤(アセトン)で溶かすしかないです(その場合合皮も溶けます)。従って「やり直し」はできないと考えて下さい。初めての人は必ず合皮のハギレ等で練習する事をお勧めします。

10:抜けた後の図

黒色部分に吸着し白抜きの部分がスタンピングリーフに残ります。これを合皮に押し当てれば希望通りの図案が皮に載せられる事になります。

11:修正

黒抜き処理をしたスタンピングリーフには抜け切れてない箇所も多く存在しますので手で修正します。具体的には不要部分(転写させたくない部分)をマスキングテープで上張りします。熱転写はやり直しが効かないので納得のいくまで修正を施して下さい。

12:本番転写

修正後の物を合皮にアイロンで押し当てれば好きな模様を転写できます。ここで転写位置をずれないようにするために最初に制作したデザイン型が役に立ちます。

13:表紙の白黒反転

表紙と背表紙も同様の手順で行います。こちらの方が面積が広いので注意が必要です。ちゃんと圧着しないと「抜き漏れ」が多くなります。

14:表紙の黒抜き転写

デザイン型に合わせながら圧着を行います。スタンピングリーフは一枚がハガキサイズなので足りなければ2枚繋げて使用します。その場合はさらに位置ずれに最新の注意を払って下さい。

15:修正&本番転写

繰り返しますが、転写は一発勝負なので修正は気が済むまで行い、転写位置には細心の注意を払って行ってください。

16:ラッカーニス塗り

転写が成功したらラッカーニスを吹き付けてください。

17:角をカット

合皮をカバーにする為に端処理として1cm織り込みます。その為に四隅を短辺2cmの二等辺三角形でカットしてください。

18:端処理

端辺を1cm織り込んでボンドで接着します。アイロンを弱熱で押し当てると綺麗に処理できます。

19:カバー位置の確認

後は内側カバーに接着するだけですが、背表紙の凸凹に正しく合うかの確認を行います。合わなければ背表紙に貼り付けた紐の位置を修正します。

20:ボンド塗り

多用途ボンドを全体に薄く延ばします。(写真は木工用ですが、合皮×布ではあまり接着力が強くありませんでした)

21:カバー接着

背表紙の凹凸部分は接着しずらいので、アイロンを押し当て熱圧着します。合皮はポリウレタンなので熱を加えれば多少伸びます。後は、本の上に重しを載せて乾くまで数時間放置します。

22:完成

そして完成です。
上手く行った時は踊り出さんばかりに嬉しいですよ!

要は慣れです

とまあ、以上がグリモワール制作の手順になります。最初は大変かも知れませんが、要は慣れです。ピアノやイラスト描きと一緒で慣れれば普通に半日もあれば出来ます。

ところで今回初めてスタンピングリーフを使用しましたが、これは応用すればかなり色々な物が作れそうなので個人的には「スッゲー面白い素材を手に入れたぞ!デュフフフwww」てな感じですね。

さて、ブックバンド編についてですが正直どうしようかと考え中です。グリモワ本体よりも難易度が高いので説明が難しい・・・まあ、気が向いたらと言う方向で

手順に何か質問がありましたら、メール・Twitter・コメント欄からどうぞお気軽に

背表紙の凹凸部分は接着しずらいので、アイロンを押し当て熱圧着します。合皮はポリウレタンなので熱を加えれば多少伸びます。後は、本の上に重しを載せて乾くまで数時間放置します。

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